京つけもの西利

六月〈水無月〉

夏至【げし】

6月21日頃

1年でもっとも日が長くなり、暑さが増してくる頃です。

今月の京都

初夏を楽しむ川魚 “鮎”

むかし、海から離れた京都では「魚」といえば川魚のことだったといわれています。なかでも1年しか生きられないことから「年魚」、香りが良いことから「香魚」ともいわれる鮎は、夏の京都に欠かせない食材として親しまれてきました。
その歴史は古く、『日本書紀』には、神功皇后(じんぐうこうごう)が鮎釣りをして戦勝を占ったという伝説も。これにちなみ、祇園祭の山鉾のひとつ「占出山(うらでやま)」には鮎を持った神功皇后が祀られ、そこから名付けられた「鮎釣山」という別名もあるといいます。
京都には鮎で名高い川が多く、食通で知られる北大路魯山人が由良川で獲れた鮎を貨物列車で生きたまま運ばせたという逸話があるほど。
そんな鮎は塩焼きにし、蓼(たで)の葉をすりつぶしてお酢を合わせた蓼酢(たです)につけて食べるのが定番。今しか味わえない新鮮な鮎で、初夏の訪れを感じましょう。

【監修】
植物遺伝学者/京都府立大学文学部教授/農学博士
佐藤 洋一郎

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