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西利のひと西利の社風
ぼくたち同期生! 2015年入社組の座談会「西利ってどんな会社?」
製造、販売、営業、研究……。一言に「漬物屋」と言い切れないほど多彩な部署が存在する西利。企業規模が大きくなるにつれ、部署をまたぐとお互いにどのような仕事をしているのかが分からなくなってしまう……これは、多くの企業が抱える課題のひとつかもしれません。
タテ割ではなく「同期」というヨコ軸で見ると、お互いの仕事内容やその価値観など、新たな発見があるのでは?
そんな考えのもと、今回は2015年に入社した5人の同期たちに集まってもらい、座談会を開催してみました。出身地も年齢も仕事内容もバラバラのメンバー、でも「同期」だからこそ話せることもたくさんあるはず。部署の垣根を横断した本音トークで、西利のリアルが少しあらわになりました。
【この記事の主な内容】
・どんな仕事をしてる? 同期5人が集まってみた
・西利の社風ってどんな感じ?
・シャッフルするならここ! みんなの気になる部署
・先輩たちのココがすごい!
・休みの日の過ごし方
・こんな西利にしていきたい!
みんなどんな仕事をしてる? 同期5人が集まってみた
営業部 永井航貴さん
現在はエリアマネージャーとして、関西圏にある百貨店内の店舗をマネジメントしています。売り場の店長や販売スタッフ、また百貨店のバイヤーの方とコミュニケーションをとりながら、販売促進のアプローチ方法を考えたり、店舗運営に問題がないかのチェックをおこなったりしています。百貨店は、同じ販売区画に同業他社のお漬物屋さんが並んでいますし、いわばライバルと横並びの環境。お客様に西利の魅力をどう伝えるのか、自社の直営店舗とは異なるコミュニケーションが必要です。そうした点において百貨店には刺激があり、日々、新鮮味がありますね。
仕事で心がけているのは、お店に立つスタッフと同じ目線に立って提案すること。マネージャーといえども上から目線で依頼するのではなく、時には「こういう売り方はどうでしょうか?」と、質問を投げかけたりすることも。なにせ年齢も経験値も、自分よりずっと上の方が店長をされていることもありますから。店舗の課題を相談し合える女房役として、円滑なコミュニケーションを大切にしています。
好きなお漬物は「京のあっさり漬・日野菜」。
製造部 西村伊織さん
京丹後市にある工場「あじわいの郷」で、漬物の製造に携わっています。入社してから数年は、野菜を切ったり、塩に漬け込んだりと野菜の下処理をおこなう部署に所属していました。つい先日、部署の異動があり、現在は商品を袋詰めする工程を担当しています。
ブランドの価値に大きく影響を与えるのが商品の味です。西利の商品づくりはほとんど手作業。なかでも塩加減は漬物を漬ける工程で一番重要かもしれませんね。間違えると取り返しがつかないので。毎日いろんな野菜が工場に届いて加工されますが、個人的に好きな作業はナスの下処理です。数多くの野菜のなかで、ナスはひとりで下処理のすべてを担うので、自分の力が試されるんですよね!
好きなお漬物は「西利限定栽培・丸なす」。
営業販売促進部 松田夢芽さん
入社して3年間は店舗での接客業をしていました。祇園店・祇園西店での販売と「味わい処西利」の3店舗をいったりきたり。その後は、高島屋京都店で「発酵生活」の店長を担当していました。「発酵生活」は発酵をテーマにしたお惣菜店ですから、漬物以外の販売に慣れるまで少し時間がかかりましたね。
そして、今年の6月に本社の企画開発へ異動になりました。メインの仕事は季節ごとの販促プロモーションです。たとえば夏の時期だと「糠漬にはビタミンB1が豊富なので、暑い夏の疲労回復にいいですよ」といった、お客様と漬物の接点を考えて、各店舗にプロモーション手法を通達するんです。「どうしたら、より多くの方に西利を知ってもらえるか」と、奮闘しています。
好きなお漬物は「うり山椒」。
本社研究室 安田愛さん
現在、本社の研究室に所属していて、新商品開発や既存商品のリニューアルに取り組んでいます。「研究室」という肩書きで白衣も着ていますが、試験管を振るような作業はありません(笑)。いま担当しているのは、「発酵生活」で販売するお惣菜の開発がメインです。「発酵生活」の商品は、シェフとのコラボレーションも多いのですが、シェフからいただいたレシピを工場で再現可能なように試作開発を繰り返します。シェフが言う「塩少々」は何グラムなのか、保存には耐えうるのか、といった課題をひとつずつクリアにしていくんですね。試作を重ね、商品の最終チェックには、レシピを考案したシェフにもお願いしています。長い時間をかけて開発した商品にOKをもらった時、一番ホッとしますね。
今はお惣菜の開発がメインですが、過去には漬物を開発したこともあります。カレー風味の玉ねぎの漬物という期間限定の商品です。それもすぐには商品にならず、試作開発を重ねました。春に商品提案があり、実際にお店に並ぶのは夏も盛りのころ。苦労を重ねて世に出た瞬間は本当にうれしいですね。
好きなお漬物は「京のあっさり漬・大根」。
営業部 藤森沙織さん
営業部に所属し、販売員として勤務しています。もともとは京都駅にあるショッピングフロア「The CUBE」で販売をしていたんですが、現在はリニューアル中につき、本店でお漬物を販売しています。店舗によって来られるお客様の特徴やニーズが異なるので、その機微を汲み取ることが求められます。
この数年で身についたのは商品の提案力です。駅近のお店は、移動の合間にお買い求めされる方が多いので、商品をスピーディーに提案する必要があるんです。世代ごとの売れ筋や限定商品の特徴を把握して、わずかな時間でも、お客様が納得して購入していただけることを常に心がけています。旅先の京都から家に帰って、購入いただいたお漬物でホッとしてもらう……そんなひと時を生み出すお手伝いができたらいいと思いますね。
好きなお漬物は「ラブレクッキング・かぶらマリネ」。
西利の社風ってどんな感じ?
おりしも取材時はランチ時。お弁当を食べながら、ざっくばらんに座談会がスタート。お弁当のフタを開けるやいなや、他のおかずには目もくれず、西利の商品「赤しそむらさき」に似たお漬物を見つけて沸き立つあたり、漬物企業の社員さんらしさを感じます。
ー西利の社風ってどんな感じなんでしょう?
作り話ではなく、本当に人柄がいい人ばかりですね。類は友を呼ぶのか、明るく、話しやすい人が多い。これは社風だと思います。
僕もそう思います。年齢に関係なく、質問したり意見が言えたり、やりとりがフラットな感じですね。話し上手とは言えない僕ですら「話すのが苦痛じゃない!」と思うので、よほど風通しがいいんだと思います(笑)。
営業の方は顔や名前を覚えるのが早いですよね。研究室にいる私のこともすぐに覚えてくれました。
ー営業さんはもちろんですが、販売の方も明るくてハキハキした印象です。
そうですね。販売はいろんな店舗を経験することが多いので、タイプの違うお客さまへの接客を通じてコミュニケーションスキルは上がるかもしれません。松田さんなんて、3店舗での接客をこなしてたもんね……。
大変さもあったけれど、接客がしたくて入社したから、やりがいをすごく感じていたかも。
ーみなさんはお互いの仕事内容を把握されているんでしょうか。この部署が気になるっていうのはありますか?
研究室がどんな雰囲気なのか気になります。あの重厚な扉の向こうで、研究員たちが黙々と作業してそうだなって(笑)。
黙々と作業することはあるけど、いつでもそうってわけじゃないですよ……! 昨日行ったお店のアレがおいしかったとか、あの映画がよかったとか、他愛ない話で盛り上がっていますよ(笑)。
そうなんだ。あと、常に研究室にこもりっぱなしっていうイメージがある!
意外に外に出ることが多いんですよ。工場に出向いて試作品制作に立ち会ったり、店舗にお邪魔して商品の品質チェックをしたり。私は松田さんの部署が気になるかなぁ。
比較的、新しい部署だもんね。じつは私自身も新部署で何ができるのか、楽しみでもあるんです。まだ外には言えないこともあるんですが、「次の西利」に向けて水面下で動き出していますから、乞うご期待です(笑)。
それは楽しみ! いまは、松田さんの考えてくれた販促文が各店舗におりてくるんです。それを私たち販売員はお客様と関係を築くための、きっかけづくりの言葉としているんです。
ー今度商品を買う時、商品の説明を受けながら松田さんの顔を思い出しますね(笑)。
シャッフルするならここ! みんなの気になる部署
ーもし部署をシャッフルするとしたら、この部署に行ってみたいと思うところはありますか?
僕は研究室ですね。白衣ってやっぱりカッコいいな〜と思って(笑)。
形から入るタイプですね!(笑) 私は販売の部署に行きたいですね。研究室に入る前は製造を担当していたので、常に裏方でした。店舗で何が売れているのか、お客様がどのように商品を選んでいるのか、現場のリアルを知りたいです。
僕も販売に行きたいですね。自分たちが製造したものがどんなふうにお客様の目に映るのか知っておきたいなと思います。あと、販売がどのような言葉で商品を届けているのかも間近で学びたい。
ー販売の経験がある松田さんや、現在、販売を担当している藤森さんはどうでしょう。
販売に戻りたい気持ちもありますが、研究室にも行きたいですね。自分でレシピを作ってみたいです。商品が生まれるまでの工程は、純粋に興味があります。
私は製造に行ってみたいですね。よくお客さまから「この商品はどうやって作られてるの?」と聞かれることも多いので、きちんと答えられるように製造の現場を学びたいんです。きっと今後の販売にも活かせると思うので。
ーみなさん、広い視野で会社の事業を理解しようとされているんですね。100点満点の答えをいただきました!
先輩たちのココがすごい!
ー久々に会ったとは思えないくらい、みんな仲が良さそうに見えますね。
入社して3年間経ちますから、なかには退職や転職していく人もいます。働く場所は違えど、続けているメンバーの一体感というか、仲間意識はあるかもしれません。
幅広い年齢構成の会社ですから、こうしてフラットに話せる同期がいるのは嬉しいですよね。
ー同期生から見て「この先輩がスゴイ!」という方はいますか?
中内さんという、営業歴30年以上の大ベテランがいらっしゃいまして、その方はスゴイですね。経験の賜物だと思うんですけど、とにかく顔が広いんです。各地の百貨店の催事にいけば、いろんな人から声を掛けられる。誰でも真似できるものじゃありませんね。
中内さんは、味のある方ですよね。独特のキャラクターで、他人からすぐに覚えてもらえるんですよ。
その個性を表しているのが、言葉の言い回し。最初は「何を言ってるか、わからない!」と思ってました。今思うと、中内さんの最大の武器なんですが(笑)。
工場にもスゴイ先輩がいます。僕とその先輩が同じ作業をやっても、かかる時間に15分くらいの差があるんですよ。スピードアップは常に課題としているので、「見て覚える」の精神でかじりついてます。
ー営業、製造ときましたが、商品の企画力がある先輩はいらっしゃいますか?
岡田課長という先輩は、企画力で名を馳せていますね。ただ、西利のユニークな仕組みとしては、アイデアをいろんなところから吸い上げていること。西利のスタッフであれば、いつでも誰でも新商品の企画を提案する窓口があるんです。売り場のパートさんのアイデアが、全体の販促に繋がる場合もあります。
たとえば、「旅行先で食べた、あの”長芋の味噌漬け” が忘れられなくて」という、プライベートな体験から商品化に至った例もあります。私もいつかは商品化に関わりたいなぁ。
休みの日の過ごし方
ーみなさん本当に自分たちの部署に誇りをもっているのがわかります。仕事に全力だからこそ、休日の過ごし方は重要だと思うのですが、お休みの日はどんなことをしていますか?
僕は外に出たい派ですね。最近車を買ったので、よくドライブに出かけます。自他ともに認めていたペーパードライバーから脱却できました。
私もよく車で出かけますね。そもそも車必須の滋賀県北部に在住というのもありますけど。通ったことがない道を走るのが好きで、とくに目的なく走ることもあります。
僕も休日は遠出します。職場の京丹後は、自然の暮らしを満喫できる反面、遊ぶ場所は少ないので……(笑)。月に一度くらいは、京都市街地に来ていますね。
私は遠方に出かけることはあまりないんですけど、花が好きなので、京都市内の花を見てまわるのが日課です。休日ではなくても、普段より少し早い電車に乗って、本店の向かいにある西本願寺のハスの花を見てから出勤したり。
優雅だ……!
私は旅行で出かけたりします。あっちこっち行きますね。旅先でその土地のお漬物があったら、ついつい買って食べちゃいますね。
わかる! お土産屋とかサービスエリアとか、目が勝手に漬物コーナーを見ちゃうんだよね。
私も見たことがないお漬物は絶対にチェックします。完全に職業病ですよね(笑)。
ー結局最後はみんな、休みの日でも漬物に戻ってきてしまうのか……!!
こんな西利にしていきたい
ー最後に、みなさんが今後「こんな西利にしていきたい」という思いがあれば教えてください。
女性が思わず手に取ってしまうような、パッケージデザインが可愛いものを増やしてほしいですね。正直に言うと、同業他社にはキャラクターをデザインした商品なんかもあるんですが、西利にあってもいいかなって思うんです。見た目だけで選ばれないのは悔しいんです!
少しずつではありますが、いまの部署でデザイン変革に関する動きも出ています。老舗の味を守るために、時代に合わせて魅せ方を変えていく必要があります。各部署がどんなことをしたいかを吸い上げながら施策に変えていく、それが私たちの部署の役割ですから。
僕は入社後に、京都市バスの外装に西利の看板広告が大きく出ているのを見て「ああ、こんなに広く知られた会社に入社できたんだな」と嬉しく思ったんですよね。これから後輩も増えていきますし、この会社に入ってよかったと思えるような体験を後輩たちに与えていきたいです。ひいてはそれが販売促進にも繋がっていくと考えています。
本社での研究室勤務は1年半になるんですが、ようやく自分のできることが把握できてきました。今後は他部署と連携しつつ、今までにない、かつ売れる商品をつくっていけたらいいなと思います。それこそ期間限定ではなく、定番商品として長く息が続くような。
野菜の下処理をしていたころは、野菜一つひとつの大きさなどは気にも留めなかったんですが、袋詰めの部署に異動してはじめて、規格を統一して製造することがいかにスムーズな商品生産に繋がるかを知ったんです。今後は製造のさまざまな視点を学んで、質のいい商品をスピーディーに生み出せるように経験値を積んでいきたいですね。
西利の未来を支える5人の若手たちによる「同期生トーク」、いかがでしたか。
個性豊かでアクティブ、かつ西利の漬物を愛する彼らのざっくばらんな会話によって、西利という企業の風土や価値観、そしてこれから西利が向かう方向が少し見えてきたように思います。常に新しい一手に挑む西利の若手社員にこれからもご期待ください。
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